
コラム「人と経営」
大阪・関西万博が開幕
1.万博開幕
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで2021年-2022年にかけて開かれていた万博から3年。2025年4月13日、大阪・関西万博が開幕した。当日、12万4339人が来場、5月6日までに累計で200万人を超えた。
158の国と地域、7つの国際機関が参加する大阪・関西万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」(Designing Future Society for Our Lives)。
ドバイ博は、192カ国と史上最多の国が参加し来場者は2300万人だった。大阪・関西万博は約2820万人の来場を想定している。試算では、直接の経済波及効果は約3兆円。事業費総額は約13兆円に及ぶ。
2.万博効果は本当か
この万博による経済波及効果は、会場の建設投資 8,570億円、運営・イベント費用 6,808億円、来場者消費 1兆3777億円。計約2兆9000億円と経済産業省が試算。
その他に、間接効果や誘致効果として関連ビジネスの拡大、交通・宿泊や周辺地域の開発で約2~3兆円と、合計すると5兆円。
大阪経済への影響としてインバウンド需要が増え、夢洲・USJ周辺のブランド力が向上する。大阪・関西のGDPは現在名目で約80兆円、万博・IR(統合リゾート)効果を盛り込むと90-100兆円の試算まで出ている。
3.負の遺産が税金で
会場建設費は2350億円、運営費は約1160億円、インフラを含む基盤整備費は9.7兆円。その他に、国の施策としての実証実験(空飛ぶクルマや水素発電技術)に2兆8000億円、事業費の総額は約13兆円に及ぶ。
運営費の約8割はチケット・グッズ等で補えるが、その他の事業費は経済界やパビリオン出展者の拠出金、不足分は国や大阪府市の税金が投入される。国と地方自治体の間で負担の押し付け合いが起こるだろう。
中小企業やスタートアップ企業、ベンチャー企業約1000社が万博に出展。開発した最新技術や商品を展示したり、商談に参加する。海外からの来場者が約350万人と予想されている。ビジネスチャンスに生かしてほしい。