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どうなるEV

column

コラム「人と経営」

どうなるEV

1.日本のEV普及率

エコカー本命の電気自動車は、10年後どれ位普及をしているのか。ある調査機関のデータで見ると、2011年は12万台、2020年に330万台、9兆円の市場規模になる。その頃アジアでは数千万台のクルマで溢れている。(2011.12.27 自動車産業の未来 No.2 より引用)

これは筆者が2011年12月に書いた記事だが、経済産業省が2010年にまとめた「次世代自動車戦略2010 報告書」では電気自動車(EV)は2020年、乗用車新車販売台数280万台の政府目標の20%とすると56万台になる。

2023年(1~12月)の国内新車販売台数(乗用車と軽自動車)は、477万9086台(前年比13.8%増)となった。その内、電気自動車(EV)の国内販売台数は、前年度比2%増の7万9198台、シェアは1,67%。2010年に日本政府が掲げたEV普及の目標は高く、実行されていない。

2.政策が実行されつつある中国、インド

NEV(新エネルギー車)はEVとPHV(プラグインハイブリッド車)及びFCV(燃料電池車)を含む。中国国内で自動車を3万台以上生産、または輸入する企業に対し、ある比率以上のNEVの販売台数を課すNEV規制を設け義務化、目標は2025年販売台数の20%、2027年は45%に。

2023年、中国の自動車販売台数は前年比12.0%増の3,009万4,000台。その内、NEVの販売台数は前年比37.9%増の949万5,000台、販売台数全体の31.6%と伸びている。EVだけでは810万台。

インドでは2023年は約153万台のEVが販売。二輪車と三輪車で約144万台、四輪車は9万台(全車の2.1%と日本と変わらない)。2023年度(2023年4月-2024年3月)の自動車販売台数(二輪、三輪を含む)は421万8,746台。

3.EVの今後

2023年度の世界ベストセラーカーランキングでトヨタ・カローラを抜いて1位になったのはEV車のテスラ・モデルY、販売数は115万台。米国の2023年EV販売台数は119万台と全米新車販売台数1,561万台の約7.6%。

欧州全域(英国を含む)の2023年EV販売台数は201万台(新車販売数は、1,279万台)で市場シェアは約16%。2022年度より少し増えたが、内訳を見るとテスラの2車種で約35万台販売と欧州勢は寂しい限りだ。

米国、中国、EUとEVへの政策支援を様々行ってきたがEVの減速が昨年度から伝えられている。EVに欠かせない電池、その工場新設延期や規模縮小が起きている。自動車メーカーは政策より需要を優先。

日本政府はカーボンニュートラルにより内燃機関の車は作らない、2035年までに乗用車新車販売で電動車100%を目標に掲げた。後10年政策の実行は見えない。

(Written by 川下行三 24/07/25)
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