
コラム「人と経営」
あんぱんは空を飛ぶ
1.アンパンマン
NHK朝ドラ「あんぱん」が佳境に入ってきた。アンパンマンの作者で漫画家のやなせたかしがモデルになっている。やなせたかしは54歳にしてアンパンマンの絵本を出版。
1988年、69歳の時にアンパンマンがアニメ化され大ヒット。推計で今では年間1500億円の市場を生み出している。やなせたかしは30代で漫画家としてデビューしているが、日の目を見るまで30数年かかった。
正しく、失われた35年。彼が亡くなって13年が経つ。しかし未だに衰えないアンパンマン。苦節30数年は本当に長い。
2.新しいキャリアの築き方
やなせたかしの生き方、人生が面白い。30代からプロの漫画家としてスタートする。しかし、結局のところ生計を立てていたのはイラストや作詞、デザイン作成、その他の彼に舞い込む様々な仕事。
何でも屋、便利屋と揶揄されても、それぞれの仕事では努力を惜しまず結果、依頼主からの評価も高かった。そして数十年の時を経て大きな仕事を成し遂げる。定年など関係無い、それが新しい働き方かも知れない。
とある50代のキャリアウーマンのKさん。仕事は出来るが1社にとどまることなく数年ごとに企業を渡り歩く。終身雇用や既成のルールに縛られる今までの働き方を好まない、そしてキャリアは確実にアップしている。
3.アニメは世界に羽ばたく
日本のアニメは世界で大きな市場を築き、日本のキラーコンテンツでもある。2023年には3兆3千億円(海外市場で約半分の1兆7千億円)を超え毎年10%以上伸びている。その内訳はTV,映画、ビデオ、商品化他。
日本政府は、「新たなクールジャパン戦略」でコンテンツ関連の海外展開目標額を2033年に20兆円。その内、アニメは約6兆円と目標数値を作っているが、毎年5千億円の増加は厳しいだろう。
今、アニメの配信やネットも増えている。特に海外市場は急進している。アメリカ市場、そして中国市場がその中心だが、世界的にアニメファンは年々増加している。