 
コラム「人と経営」
こうなる2025年 No.3
1.世界経済の成長率は減速する見込み
10月、世界経済見通しとしてベースライン予測(過去の需要に基づく将来予測)を下にIMFが発表。世界経済の成長は、減速する見込みで、保護主義と分断化が拡大する状況に世界が適応する中で、成長の見通しは暗い。
世界経済成長率は2024年の3.3%から2025年3.2%、2026年3.1%と予測。先進国は2024年の1.8%から2025年、2026年共に1.6%へ。新興・途上国の成長率は2024年の4.3%から2025年は4.2%、2026年は4.0%へと減速。
2025年 米国  2.0%  ドイツ   0.2%  日本  1.1%   中国  4.8%  
2026年 米国  2.1%  ドイツ   0.9%  日本  0.6%   中国  4.2%
※世界経済見通し(WEO)2025年10月/世界経済成長率予測
2.日本経済は緩やかに回復
日本政府は、9月29日の月例経済報告で「景気は、米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみられるものの、緩やかに回復している」。企業収益は、四半期(4月ー6月)の経常利益が前年比0.2%増、前期比0.7%増(法人企業統計季報)と改善に足踏みがみられる。
先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクには留意が必要である。
世界の経済成長率は2023年の3.3%から2024年は3.3%、本年は3.2%へと数年低迷を続けている。世界のインフレ率は、2025年に4.2%と見込まれ鈍化、リスクは軽減されている。日本のインフレ率(消費者物価指数の上昇率)は、この9月前年同月比2.9%と伸び率が拡大している。
3.実質GDP成長率
9月の政府(内閣府)発表の2025年4-6月期のGDP成長率、2次速報値は実質0.5%。各大手シンクタンクの日本の実質GDP成長率の2025年、2026年予測は、2025年 0.7%、2026年 0.7%~0.9%と少し上向く。
第一生命   2025年 実質 0.7%   2026年 実質 0.7%  9月発表
大和総研   2025年 実質 0.7%   2026年 実質 0.8%  8月発表
三菱総研   2025年 実質 0.7%   2026年 実質 0.7%  9月発表
三菱UFJ     2025年 実質 0.7%   2026年 実質 0.9%  9月発表
ニッセイ総研 2025年 実質 0.7%   2026年 実質 0.9%  8月発表
2026年度日本の景気は緩やかに回復すると予測。米国の通商政策の影響や物価高による個人消費の低迷、賃上げの鈍化など景気が減速するリスクは残るだろう。





