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労働移動は進んでいるのか

column

コラム「人と経営」

労働移動は進んでいるのか

1.労働移動の吉

先日、大手製造業S社で勤めていた技術者のN氏にバッタリ会った。S社は15年程前にP社に買収された。そして彼はP社のライバルのT社に転職。しかしT社は厳しい会社、このコロナ期にリストラを断行。

彼はまたも転職。彼の技術が必要とされていた中小製造業へ。この転職は吉と出た。昔、S社と競っていたU社。ユニークな製品を開発する企業として有名だったが、グローバル競争に敗れ外資に買収された。

そのU社に長年、技術者として勤めていたH氏は数年前に退職。そしてU社の所属する業界では新参者だが急成長をしているI社に転職。この転職も吉と出た。I社は大きくなったが実態は中小企業。

2.労働移動の凶

一部上場企業で働く技能者のT君。ベテランの域に達し充実した日々を過ごしていたが工場が移転。人口増加で有名なS地区に新工場が建設された。彼は数時間を要する通勤時間で新工場に通うことになった。

そして、転居もせず、残業も拒み勤務を続けたが、思い切って転職。とある機械の操作には精通しており、良い転職に見えたが、コンピュータ制御のマシンにはついて行けず、退職。そして小企業に転職。

労働移動の現実は厳しい。特に技術者や技能者の転職は課題が多い。ドイツや北欧の国々は、政府が新しい技術を身につける為に予算をつけ、再教育を施す。労働者は成長分野の企業への転職が可能になる。

3.腰を上げた政府

政府は、この5月の「骨太の方針」で成長分野への労働移動を促すために3年間で4000億円の施策パッケージを行うと発表。社会人のスキルアップに向けた学び直しの機会の提供や再就職支援を行う。

要は、100万人を対象に職業訓練を行い、IT分野などの成長分野への労働移転を促進する。

AIの普及により、ますますホワイト労働者の仕事は減って行く。新しい技術をどう身につけ、どう支援して行くのか。付加価値の低い仕事から高い仕事にどう転換していくのか、課題は多い。

(Written by 川下行三 22/11/17)
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