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経営の視点が変わる No.2

column

コラム「人と経営」

最新版

経営の視点が変わる No.2

1.異なるブランドが生きる

トリドールホールディングスが多角化の一環として手がけるカフェ業態「コナズ珈琲」が急成長している。2013年に1号店を出店、現在47店舗、2025年3月期で114億円の売上げで前年比約32%の増収になった。

「コナズ珈琲」は南国ハワイを思わせる店づくりとボリューム満点のパンケーキで、SNS世代からファミリー層までを虜にした。感動体験を重視することにより、店舗数を増加させながら利益率を向上させている。

ブランドは「異なること」から生まれる。丸亀が早い・安い・うまい。コナズはゆっくり・高め・贅沢。この真逆の業態を同じ企業が展開するのは、ニーズが多様だからこそ、尖ったブランドが強いことを示す。

2.100億円企業宣言

製造業で100億円の売上げを上げるには数十年の年月がかかる。中小企業庁は今年度より中小企業が売上高100億円を目指し、実現に向けた取り組みを行っていくことを宣言する「100億宣言」を開始した。

これは売上高100億円に向けて挑戦する企業・経営者を応援するプロジェクト(中小企業庁・独立行政法人中小企業基盤整備機構が主体)になる。100億円宣言することで中小企業成長加速化補助金を申請できる。

中小企業成長加速化補助金は、売上高100億円を目指す中小企業の設備投資を支援する補助金制度。建物費・機械装置費・ソフトウェア費・外注費・専門家経費を対象に、最大5億円が支援される。

3.売っているのは「商品」ではなく「体験」

高品質のコーヒー豆を1杯ずつ丁寧にハンドドリップで淹れる、サードウェーブコーヒー(コーヒー第三の波)が今、人気を博している。しかし、サードウェーブの広がりは僅か、市場での影響力は小さい。

珈琲の味や品質は重要だが、居心地やそこで過ごす時間が大きい。「コナズ珈琲」が提供しているのは、単なるコーヒーや食事ではなく、非日常の体験そのものだ。

製造業でも、「誰にでも売れる」よりも「この人に響く」ブランドを意識することが、差別化と記憶に残る会社づくりにつながる。ブランドは技術力や実績だけでは作れない。

誰に、どんな体験を届けたいか?という視点から始まる。中小企業だからこそ、世界観を持った「小さな強いブランド」を育てることができる。

(Written by 川下行三 25/07/25)
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