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AIが値決めをし主導権を握る

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コラム「人と経営」

AIが値決めをし主導権を握る

1.ダイナミックプライシング

東京や大阪のホテルの宿泊代が高騰している。それに対して某ホテルオーナーは、「最近はAIが宿泊代を決める」。大きな原因は全国旅行支援やインバウンドの回復によるものだが、コロナ前よりも高くなっている。

数年前からはダイナミックプライシング(Dynamic Pricing)と言う価格を変動させる仕組みを使い宿泊代を決めているホテルが多い。需要と供給の状況に応じて商品やサービスの価格を柔軟に変える。

過去の販売実績や顧客動向、天候や競合の宿泊料金や動向といった需要に影響するものをベースに需要予測を行うダイナミックプライシング。今まで人手で行っていた大変な作業をAIが行っている。

2.AI活用の進化

ダイナミックプライシングはホテルだけではなく航空券、テーマパークの入場チケットなど多くの分野で活用されている。ある地方のスーパーは全商品に電子プライスカードを導入し需要と供給により値決めをする。

大手流通業のP社。AIによる価格設定が出来るシステムを開発。周辺の自社店舗の販売価格や販売実績のデータを基に算出する。周辺の販売動向の変化などもリアルタイムに価格へ反映させる。

同じく大手流通業のI社。AIで需要予測を行い商品発注量の最適化をするシステムを開発。販売実績や気温などのデータをAIが分析し発注量を決める。結果、在庫が大幅に削減した。

3.AIにも苦手な分野がある

マーケティングは「売れる仕組みを構築する」。市場調査を行い、そのデータに基づいて商品開発することでは無い。今、市場に出回ってない商品、サービスは市場調査からは生まれて来ない。

AIが得意とするのはビックデータ(販売動向などの過去のデータ)の分析だ。チャットGPTにも苦手な分野がある。膨大なデータを基に事前トレーニングをしているが、将来の予測は出来ない。

家電大手P社の今春のヒット商品。20-30代をターゲットにした家電製品の開発がプロジェクトのスタート。プロジェクトメンバーのニーズが中心でAIがこの開発には全く関与していない。

(Written by 川下行三 23/06/10)
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