コラム「人と経営」
今こそ、リーダーシップが必要だ No.2
1.政治家にリーダーシップは必要なのか
小泉改革の本願である郵政民営化が頓挫しようとしている。小泉首相のリーダーシップ不足が原因である。しかし、解散総選挙が決まってから内閣支持率は上昇した。不可解な現象だ。
国民と海外の投資家などからは歓迎されている改革路線。旧い体質の自民党議員からは嫌われている。小泉首相の一貫した姿勢と合議制(日本的な解決策)を用いない手法が評価され、改革の旗手として期待されてきた。
それでは、政治家としてのリーダーシップはどうなのか。改革を叫び新しい空気を感じさせた。
しかし、明確なビジョンを提示できたか?No。
本当に国民の事を考えているか?No。
結果は残せたか?No(日経平均株価で見ると小泉内閣誕生時13,900円台が、現在12,200円台)。
2.短期で成果を見せることが変革型のリーダーに求められる
日産のカルロス・ゴーンCEOは、2000年4月、日産リバイパルプラン(2000年連結当期利益の黒字化、2002年4月連結売上高営業利益率4.5%以上、2002年末に負債を7000億以下に削減の3ヶ年計画)を発表。2002年に1年前倒しで目標を達成した。見事に短期的な成果を残した。
彼は、リーダーシップを三段のはしごに例える。
一段目は「見通し」を持つ。目的地やビジョン、戦略を明確にする。
二段目は「人々の支持」を得る。モチベーションを高め、具体的な実行計画を策定する。
そして、三段目は「結果」を出す。成果を早く見せる、進んでいる方向を確認する。
すなわち、結果の出せないリーダーシップは機能していないと明言する。ゆっくりやっているのは改革とか変革とか言わない。
3.サーバント(奉仕者)リーダーシップ
最近、にわかに注目を浴びているリーダーシップがサーバント・リーダーシップだ。小泉首相の独断専行、命令型のリーダーシップとは正反対のスキルになる。リーダー自身が部下やメンバーに奉仕し、その後、部下を導いて行くリーダーシップスタイルである。
他人を力で強い自分の意のままにさせるリーダーシップは、権力が無くなった時点で影響力を失う。こんな政治スタイルが支持されている小泉政権、ブッシュ政権は、共に未成熟な国民が多いことを露呈した。
奉仕型リーダーは人の必要(ニーズ)を見つけ、それに応える事で人に奉仕する。メンバーに生きがいを持たせ、やる気を高める。リーダーの本当の役割は、部下を信頼して部下を支え活かすことである。リーダーこそ部下やメンバーに奉仕する真のサーバントでなければならない。