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指図(さしず)すると人はバカになる No.2

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コラム「人と経営」

指図(さしず)すると人はバカになる No.2

1.日本一クオリティの高いホテル

3月30日六本木に、三井不動産が中心となって開発した東京ミッドタウンがオープンした。大きな話題を呼んでいるが、目玉は、リッツカールトン・東京の開業であろう。

リッツカールトンは大阪の成功で、日本一クオリティの高いホテルとしての地位を築いた。特に顧客サービス、顧客満足の高さは他のホテルと比べものにならない。

ビジョンやミッション、信条などを毎日の朝礼を通じて確認する。これは目新しいことではないが、その徹底ぶりが素晴らしい。そして従業員はオペレーションを任されている。上司の判断を仰がずとも、顧客の為なら1日20万円まで使える決裁権を従業員が持つ。

2.教えない教え方

商品開発やマーケティングの某コンサルタントが、よく言う。教えると人はバカになる。そのコンサルタントのパートナーが、手本を示す。彼は決してこうしろとかああしろとアドバイスをしない。

彼は答えを出さない。優れた経営者や人格者を紹介する。第三者を使う。そして、相談者に面談の内容を報告させる。面談の過程で相談者は解決策を導き出す。これが、「教えない教え方」なのだ。

会話をしている内に、問題を抱えている人が自分の発した言葉で気づく。これをコーチングでは、オートクラインという概念で説明する。コーチはクライアントの発言を促進する。「教えない教え方」と同じ手法だ。

3.知識は問題を解決しない

知識は活用してこそ役に立つ。これを知恵と呼んでもいい。学校は主に知識を教える。企業は、新入社員に態度教育を含め技能を教える。国が認める資格は、記憶に頼る。法律の条文を覚える、知識の固まりだ。

問題が起こると、頭をフル回転させて解決策を考える。瞬時に直感で判断する。これは経験がモノを言う。インターネットや六法全書に答えはない。想像力が必要だ。教えられると想像力が乏しくなる。

自分で判断する機会や場を増やすべきだろう。管理者や経営者は、細かい事を言わない。大きな方向性やビジョンを明示する。理念を共有する。後は任せなさい。人を育てるには、「教えない教え方」を実践して頂きたい。貴方なりの「教えない教え方」を、ぜひ見つけて欲しい。

(Written by 川下行三 07/04/17)
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