コラム「人と経営」
経営者よ!!成功に甘えるな
1.登りのエレベーターの後は下りが続く
白い恋人で有名な石屋製菓が賞味期限を偽装した問題が表面化した。北海道の食品会社では、雪印乳業の食中毒事件、ミートホープ社の牛肉コロッケと続く。北海道のイメージがまたも損なわれた。
記者会見で石水社長は、経営が余りにも上手く行き過ぎた。その奢りが現れたという様なことを述べていた。順風満帆の陰に落とし穴が潜んでいたのではなく、ずっと以前から下りのエレベーターに乗っていた事に気づかなかった。
賞味期限の付け替えは平成8年から、何と11年前から常態化していた。トップが知らなかったで済まされる問題ではない。隠ぺい体質があった。消費者よりも売上げ重視に走る企業体質の根は深い。
2.ビジネスモデルよりも商売の哲学が要る
白い恋人は、北海道限定商品という希少性を売り物に、業績を伸ばして来た。白い恋人が軌道に乗るまでは、大変な苦労をしたようだが、この数年は右肩上がりの売り上げに、成功物語として奉られた。社長は社業よりも社外の仕事に追われた。
本社横のチョコレートファクトリー(工場)の見学をしても品質に対する厳しさよりも、販売やマーケティングの臭いを強く感じるテーマパーク的な工場である。
3.一つのミスを見逃さない体質が大事
この、ここでしか買えないと言うビジネスモデルを模範に首都圏で成功した菓子会社G社がある。G社は原材料表示のミスで正反対の対応した。3月7日に大丸で10箱、東武で6箱販売された12個入りの菓子パッケージ(箱)。箱には表示シールが貼られていたが、各菓子に貼り忘れた。
3月10日の四大新聞に謝罪広告を掲載。G社の社長は素早い対応をした。
G社は、不二家の事件後、衛生状態が良いという事でテレビ局の取材を受けていた。しかし、この表示シール事件以降、最新の工場の工程管理を徹底すべく取材や見学には応じていない。