コラム「人と経営」
持続可能な経営を目指せ No.1
1.異常気象は何を指しているのか
今夏は大変な猛暑に見舞われた。9月に入っても30度超す熱帯夜が続く。この冬も暖冬で雪の降らないスキー場が出現した。異常気象の一つだ。世界各地で洪水など温暖化の影響がじわじわと現れている。
原油の高騰が、バイオ燃料の需要を膨らませ、今度は原料の穀物が上がり、食品価格を押し上げる悪循環のサイクルを招いている。バイオ燃料は、一見、環境に優しいと思えるが、どうだろう。
穀物を大量に栽培し収穫する為に、どれだけのエネルギーを使っているのか、耕運機や作物を刈り取りする機械はガソリンで動く。その原料は原油。運搬のトラックもやはりガソリン車だ。
2.リサイクル、リユース、リデュース
政府は、廃棄物・リサイクル問題は新たな経済成長の要因として前向きにとらえ、環境と経済が両立した循環型社会を目指している。その政策として、3R/Recycle(再び資源として利用する)、Reuse(繰り返し使う)Reduce(ごみそのものを減らす)3つの取り組みを提案している。
リサイクルは環境に優しいと宣伝されている。はたしてそうなのだろうか。リサイクルペーパーやペットボトルのリサイクルは、新しくつくるものと比べるとより多くのエネルギーを消費する。リサイクルしない方が環境に優しい。
3.サステナビリティ経営
欧州の企業では、環境報告書やCSR(企業の社会的責任)報告書などを定期的に発刊し、地域への貢献などを広報しているところも珍しくない。日本の企業でも大手企業を中心に広まって来た。
株主も社会的責任投資(Socially Responsible Investment)という手段を用いた投資行動も一般化している。環境と社会と経済(財務)の3つの視点について企業を評価し、投資する。
本当に大事なのは、報告書をつくる事でも投資を惹きつける事でもない。経営者自らが理念を持って、我が社の経営が社会の役に立ち、地球環境の保全に貢献出来ているかを自問し、具体的な行動を起こして欲しい。