コラム「人と経営」
米国の経済、良心 No.1
1.米国の経済は世界をリードするのか
世界の経済をリードするのは米国一国から欧州、中国やロシア、インドへと拡がっている。通貨は敏感に反応し、ユーロはドルより明らかに強い。ドル安は米国経済を占っている。
先進諸国の経済は、今年減速感を強めている。米国の景気後退を示唆する。数年前、復活した米国の金融機関は、過去最高の利益に賑わっていた。ニューヨークの活力は、そのシンボルであった。
昨年、降って湧いたようなサブ・プライム・ローン問題により、多額の負債を抱えた米国の金融機関。まるでジェットコースターに乗っているような急降下を余儀なくされた。
2.ニューヨークはいま
ロウアー・マンハッタンにあるウォール街、世界の金融機関が集まる。
各国の金融当局が市場に介入すれば、為替相場を操作出来た時代は終わった。だぶついた投資マネーは、石油、穀物に注がれる。
石油価格の上昇は、実態経済とは程遠い。石油価格を決めるニューヨークにある原油先物市場。天井が見えない展開を続ける。
ニューヨーク・マンハッタンの地価は上昇している。米国経済は弱みを見せるが、マンハッタンにその影響は無い。相変わらずの賑わいを見せる。世界の人々を惹きつける。
3.今年後半に回復か
サブ・プライム・ローン問題の調整を終えた金融機関。大統領選挙を控えるが、今年後半からは景気の回復を予測するエコノミストが多い。
ガソリン価格の高騰や環境問題を受けて、大型車から小型車へとシフトしている。併せて、新車登録台数の減少が拍車をかける。では、米国民は消費を控えだしたのか。
借金をして買い物を続ける米国民のライフスタイルの変化は感じられない。サブ・プライム・ローンの借り主は、返却が滞ると住宅をとられるが、法律でそれ以上の借金を返す必要はない。地獄を見る制度は無い。