コラム「人と経営」
アジアの世紀 No.2
1.話題のミャンマー
ビルマと言う国名の方が分かりやすい。1948年、イギリスからビルマ連邦として独立したが、内戦、政権争いが繰り広げられた。1962年、軍事クーデターが起こり、軍事政権が長く続く。
1989年に軍事政権は、国名をミャンマー連邦(Union of Myanmar)に改名した。その後も民主化圧力を排除しながら、政権延命をはかる。2007年、現大統領のテイン・セインが首相に就任。
2008年に新憲法、2010年には総選挙が行われた。その後、アウンサンスーチーさんの軟禁が解除。政治の安定を予測して、欧米日の資本が急速に投下されようとしている。賃金は中国の1/5と安く労働者の質も高い。
2.最貧国のバングラデシュ
インドとミャンマーに接しベンガル湾に面したアジア最貧国として、有名な国だ。農業人口が多く経済発展の可能性は大きく、大きな可能性を秘めている。1億五千万人の人口を擁する。
イギリスの東インド会社の植民地時代から、東パキスタン、そして1971年にバングラデシュとしてやっと独立を果たす。その後、内戦やクーデターなどを経て1991年民主化への第一歩、総選挙が行われる。
独立後40年を経過しても貧困が絶えないのは、政府の統治能力の欠如が大きい。しかし、欧米のグローバルな繊維産業が社会的企業を標榜し、工場建設を行い進出。経済発展に向けた助走を開始している。
3.ピラミッドの底は広い
急速に成長するアジアでの貧富の格差を懸念する記事を目にする。貧しさから脱した人々も多いが、中国で言う内陸と沿岸部のような光景が、インドやインドネシアでも起こっている。
一方、BOP(Bottom of the PyramidやBase of the Pyramid)が注目されている。世界の人口構成の中で、最も収入が低い所得層を指す(人口のピラミッドの底)。約40億人がBOPだと言われている。
既に、インドやインドネシア、バングラデシュでは、欧米企業がBOP対象にビジネスを展開し400-500円兆円に上る市場に向けて販売を開始。
日本では僅か数社、ユニチャームが比較的進んだ取り組をしている。
たばこ1本、洗剤一袋、紙おむつ一つのニーズは存在する。