コラム「人と経営」
グローバルリスクを想定しろ No.2
1.グローカルな経営行動
日本企業にグローバル企業は存在しない。グローバルに事業を展開し、製造拠点や販売拠点を持ち、グローバル人材育成機関を有しているP社でさえ未だに現地会社の社長は日本人が多い。
グローバルにものを考えローカルで行動をとる。グローカルと呼ばれる経営行動をとれと、以前から叫ばれている。しかし、本当の現地化や現地のニーズを取り入れた開発などは、日本企業は遅れている。
日本で十分市場が有り、海外には輸出は行なうが本気になっていない。
そんな構図が浮かび上がる。国内の人口減、市場が縮小する中で大手企業は、やっとグローバルに市場を見るようになってきた。
2.意思決定のスピードが問われる
官僚組織の染み付いた日本の大企業は意思決定が遅い。出るにしても、撤退するにしてもスピードが必要だ。21世紀に入って目まぐるしい市場の変化に追いつけない企業が多い。
中小企業はオーナー経営者が多く、意思決定のスピードは早い。グローバル企業や米国のITベンチャー企業、中国の民間企業とやっと肩を並べることが出来る。
商談に対する答えを翌日に出す。米国のグローバル企業の意思決定のスピードだ。その為には、結論を導き出す関係情報を入手していことが重要で、定期的に情報収集する仕組みを持っていることが上げられる。
3.グローバル人材の育成が先決
某中堅企業は、アジアの1国に進出し成功を収めた。そして、中国にも進出を果たした。しかし、昨年の尖閣問題以降、予想された生産には到底届かず厳しい状況だ。
大企業と違い、中小企業は大きな投資に会社の命運がかかる。海外への展開には国内での投資とリスクのレベルが違う。政情、経済、予期しない出来事(天候等)。そして、進出先を熟知する人材は社内にはいない。
サムソンがグローバル市場で成功したのは、いち早く進出先にスタッフを派遣し、生活をさせ文化を含め現地を理解できる人材に育て上げた。
その人材が現地で受けいられる開発や販売をサポートした。