コラム「人と経営」
構造変化は始まっている No.1
1.価値観の違いと勘違い
東京都内に居を構える中小企業のO社長が「大阪の新しいシンボリックな施設は、あまり流行っていないようだね」。「デベロッパーのM社の人が言っていたよ」と。オフィスビル棟の事を言ってるらしい。
商業施設は、大阪にこんなに人が居たのかと思うほど賑わっている。調査データからも確認が出来る。O社長は続けて「ある人が、京都は大阪の10分の1、大阪は東京の10分の1位しか経済規模が無い」。
日経新聞が発表している10月の百貨店販売実績では、東京が1,233億円、大阪が668億円、京都が189億円。大阪は東京の54%、京都は大阪の28%の規模。もっと粗く表現すると京都の3倍が大阪でその倍が東京。
2.人口構造の変化は確実にやってくる
2013年版の高齢社会白書で、日本の人口は2030年には今から1,000万人減って1億6,700万人。2040年には更に1,000万人減り、2050年には1億を切り9,700万人と3,000万人の人口が減少する予測になっている。
生産年齢人口(15-64歳)も、2050年には3,000万人減り約5,000万人となる。反対に、65歳以上の高齢者人口は2,040年まで増え続け3,800万人を超える。2,060年には総人口の40%近くになり2.5人に一人高齢者となる。
この構造はそう簡単には変わらない。少子高齢化に政府は有効な政策を講じていない。その事を踏まえて、日本国内での需要は確実に減って行く。当然、内需拡大は難しいと思われる。
3.実践する企業は社員、経営者の意識が高い
この構造変化が大きくビジネスに影響をすることは想像がつくだろう。
マーケティングでは、市場の構造変化が現れ、そして市民や消費者の意識や価値観が変わる、最後に消費行動に変化が起きる。
東北のAスーパー、と言っても小さな店舗(主婦の店位の)は、高齢化が進んだ地域だが毎年売上げを増やし続けている。この店のエリア外から集客出来る食品が有るが、それだけではなく総菜一つにも工夫がある。
高齢者が食べやすい小さなサイズの総菜を新たに提供し、評価を受けている。ここは、経営者自らがその消費行動の変化を観察、意識化し、新商品として発売。市場環境変化への企業適応を見事に表現する。
本当のリーダーシップは変化をつくることだ。