コラム「人と経営」
IoTが世界を変える No.2
1.日本でもIoTをリードする会社がある
某建機メーカーは10数年前から自社の建設機械に通信機能を持たせたセンサーを取り付け、稼働状況(どこで、どれぐらい稼働し、燃料の減り具合はどうか)をリアルタイムに把握している。
数年前からの中国での建設ラッシュでは、多くの建設機械が出荷されたが、このメーカーのIoT対応機種は建機の販売店やリース会社は、メンテナンスを含めその状況を知り得ることで売上げにも貢献した。
建機はベテランが操作するのが通説であったが、ドローンを飛ばし、掘削が必要な土壌を空撮。コンピュータで最適な掘削プログラムをつくり建機に持たせ、プロで無くても操作できる状況を作り上げた。
2.米国の先進企業
米国でIoT分野で一番先頭を走っているのが、GE(ゼネラルエレクトリック)だ。ジャックウェルチが会長をやっていた十年前は、金融で大きな利益を生んでいたが、今は製造業へのシフトを明確にしている。
現在のイメルト会長は、BtoC(消費者)よりもBtoB(企業)に重点を置いて、先端の医療機械や航空機エンジン、火力発電タービン等の製造を米国内での生産に切り替え競争力を高めている。
その機械にIoTを導入し、稼働状況を逐一モニタリングし、その送られてくるデータを分析し、メンテナンスや機械の操作(航空機エンジンの場合、状況によれば飛行経路の変更などの重要事項)等に活かしている。
3.一歩先を考える
今まで故障や事故につながるオペレーターによる機械操作も人為的なミスが多く、その原因を特定出来なかった。しかし、IoTにより、原因をある程度特定することが可能になる。
IoTはほとんどの場合、ユーザーが意識せずともメーカーやシステム会社は利用状況をチェックし記録している。それにより、故障の予兆や、機械停止時刻、使われ方までを追跡することが出来る。
IoTに人工知能(AI)が加わると、データを送信するだけでなく、AI側から機械へ逆に情報を送り、警告を発したりすることも出来るだろう。事故を未然に防ぐ事もそう難しくない。