コラム「人と経営」
新時代の競争 No.1
1.1995年は記念すべき年
アマゾン創業者でCEOのジェフベゾスは、昨年世界一の金持ちに返り咲いた。総資産10兆円を超えた。1995年に、シアトルで産声を上げたアマゾンは右肩上がりで成長を続け、2016年には世界での売上高が14兆円に。
書籍のネット通販から始め、今では何でも売っていると消費者は理解している。米国でのスタートから3年後に日本に進出、2016年の売上高は1兆円を超え、ネット通販では日本で一番となった。
マイクロソフトがWindows95を発売したのが1995年。パソコンがインターネットに繋がった年とも言える。1975年に創業したマイクロソフトが大きく飛躍したのはWindows95が成功したことによる。
2.Amazonがマイクロソフトを超えた
総資産で永らく世界1を続けていたマイクロソフトの創業者ビルゲイツ。
アマゾンはアプリケーションソフトは作っていないが、クラウドコンピューティングではマイクロソフトやグーグルを抑え世界一だ。
2006年にクラウド事業を立ち上げてから3,000回以上の機能改善と60回以上の値下げを行っている。商品の品質を高め価格を下げているというビジネスモデルは競合他社にとっては脅威に映る。
今、世間ではIoT(インターネットオブシングスの略)やAI(人工知能)が注目を集めている。大企業はそれを活用する為の投資が可能であるが中小企業には、その余力がない。アマゾンはそれも提供している。
3.次の時代にキーワードは音声
後2年もすれば、自宅に1台AIスピーカーが置かれているだろう。声でテレビのスイッチを付けたり、照明の明るさを変えたり、スマホを握らずに商品を買うことが出来る。
何かを調べるのもAIスピーカーに話しかければいい。まるで秘書がいるかのようにあなたの要求に答えてくれる。そのAIスピーカーの先頭を走っているのもアマゾンで、米国での市場の7割を制している。
アマゾンの凄さは、ネット通販の品揃えや品種の多さだけではなく、そのビジネスモデルにある。徹底的な顧客志向を創業期から追求し、競合他社を多くの分野で寄せ付けていない。