コラム「人と経営」
SDGsを経営に生かす
1.企業の存在価値とは
コロナ禍を経験する中で、会社の存在意義や働く社員の価値観が大きく転換をしている。我が社の提供できる価値とは経営理念とは、持続可能な経営とは何か。
国連が提唱し、日本政府も力を入れているSDGsを経営に生かす企業が増えている。SDGsは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。
2015年9月に国連で採択された2030年までの国際開発目標。17の目標と169のターゲット達成により、「誰一人取り残さない」社会の実現に向け途上国及び先進国で取り組む。
2.社会の課題解決
社会の課題を解決する。ソーシャルビジネスというジャンルがあるが、ビジネスとして成り立っているものも多い。そして社会の課題解決を目的に起業した経営者を社会起業家という。
バングラデシュで製造し、その製品を日本に輸入し百貨店等で販売を行い成功した社会起業家のY女史。革製品から始まり、今ではジュエリーからアパレルまで商品群を増やしている。
製造拠点もバングラデシュからインド、ネパール、スリランカ、インドネシア、マレーシアと広め、アジアの38の専門店で販売。「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念から始まった。
3.形式ではなく本当の理念を
女性の自立を目指す。高尚な課題解決から始まったビジネスではないが、多くの女性に幸せを与えている企業が大阪にある。ちょっとしたアイデアから様々なトライを重ねて事業化した。
女性の爪にマニキュアを塗る代わりに、繰り返し付け外しができるネイルウエアを開発し成功を収めた。女性を笑顔にしたい。経営理念に女性自立支援を掲げている。
バングラデシュの貧困層を対象にした低利・無担保融資を行う有名なグラミン銀行の創始者ムハマド・ユヌス氏。ユヌス氏が目標として掲げる3の0(貧困ゼロ・失業ゼロ・二酸化炭素排出ゼロ)。同社は、ユヌス・ソーシャル・ビジネス・カンパニー認定企業でもある。
SDGsには17の大きな目標がある。自治体や大企業は、その目標の幾つかをホームページに掲げ、詳細を謳っているが、既存の事業やサービスをその目標に照らしてリニューアルしているように見える。
社会の課題解決から始めている社会起業家に学ぶべきところが多い。